新人看護師は怒られて当然ですか?【転職のご相談】

浅田 道子さん(30代・看護師)

看護師の皆さんこんにちわ。

先月の西日本カンファレンスでは、斉藤悟先生をはじめ、山中先生にまでお声掛けを頂き、大変貴重な体験をさせていただきました。
この場を借りて、お礼を申し上げさせていただきます。

40分頂いて講演した「新人看護師は怒られて当然ですか?」という内容が、それなりに反響があったようで、その後もFacebookにメッセージが届くようになりました。

メッセージの大半は新人看護師の方からです。
「私も怒られっぱなしです」「まだ半年ですが辞めたいです」「でも辞められません」「どうしたら?」といったご相談が多いです。

辞められない理由は人それぞれです。
お礼奉公、将来の不安、親の反対、周りからの圧力。

私も同じように怒られ、悩み、耐え続けることを選びました。

「でも。もしあの時…。辞めていれば…」

そう考えることも少なくありません。
正直、耐え続けたことを後悔しています。

今回の記事には、講演で話した「新人看護師は怒られて当然ですか?」に加え、「当時の感情、どうすべきだったか、後日談」を追記いたしました。
この記事で、辛い思いをする新人さんが少しでも減ってくれる事を願って!

毎日怒られた新人時代

私は看護学生の頃から、精神科に興味がありました。
でも当時の先生から「精神科は看護が学べない」「将来、転職に不利」「職場が限られる」と言われ断念。

周りと同じように総合病院に入職しました。

同期は15人ほど。
新人研修は大変でしたが、夜になればみんなで集まり、毎日のように遊びに出かけていました。
お酒を飲み歩き、夜遅くまで、看護の事、恋愛の事、将来の事、いろんな話をしました。
当時の仲間達とは今でも連絡を取り合っています。

しかし楽しかった新人研修が終わり、急性期病棟に配属されて一変。

鳴り響くナースコール、バタバタ走り回る先輩達、圧倒され何をしていいのかわからずオロオロする私。
配属されてからは、毎日のように怒られました。

ミスをして怒られ。
計画通りにできず怒られ。
物忘れがあって怒られ。
技術が未熟で怒られ。
仕事が遅くて怒られ。

「この間も言ったけど!」「何を習ってきたの!?」「やる気あるの!?」「邪魔だから!」「向こう行ってて!」

とにかくやることが沢山あり時間との勝負で、頭は常にパンク状態。
そこに追い打ちをかけるように怒られ、パニックになるのでした。

朝は7時前には出勤して情報収集。
始業は8:50でしたが、2時間も早く出勤していました。

でも8時に出勤してしまった日、お昼の休憩を取ろうとした時「遅刻したら普通はご飯に行くの控えるよ!?」「あなた本当に反省してるの!?」と先輩から怒られ、休憩の1時間ずっと立たされていました…。
この時は本当に情けなくて悔しくて、泣くのを必死にこらえていました。

夕方になるのも怖かった記憶があります。
申し送りがあるからです。

大勢の前で罵倒されるため、大変辛いものでした。
「誰がそんな事しろっていったの!?」「あなたバカなの!?」「本当にダメな人!」「何でそんな方法でやったの!?」「その理由は?早く答えて!!!」

師長や主任から、責められる毎日。
冷ややかな目で見つめる先輩達。
「ようやく終わった…」とぐったりしている所に、「いっつもなげーんだよブス」と小声で言われたこともあります。

物覚えの悪い私は、毎日のように怒鳴られ、否定され、それはそれは辛いものでした。
この時期のことは、今でも思い出すのが辛いです。
(いまだに夢に出てきます…)

怒られないための努力とは?

新人時代の私は、なかなか帰る許可がもらえず、夜遅くまで働き、家に帰ってからも勉強の日々でした。

休日も看護研究、看護計画の作成、患者さんの症例チェック、キャリアアップのラダーのため出勤していました。
講習会、勉強会、学会も強制参加でした。

何か1つでも出来ていないとまた怒られるため、それが怖くて無理やり体を動かしていました。

プライベートはほぼありません。
仕事漬けの毎日です。
睡眠は平均4時間を切っていたと思います。

夜勤が始まってからは生活のリズムまで乱れ、不眠に苦しみ、心だけではなく体までおかしくなっていました。
看護師になったのを後悔していました。

この頃には先輩達とのやり取りはもちろん、患者さんとのやり取りも恐くなっていました。
問題が起きても自分だけで解決しようとするクセが付き、ちょっとしたトラブルは隠すようにもなっていました。

そんな絶望の中、心よりどころだった先輩がいました(北川景子さん似のキリっとした美人)
孤立していた私にふつうに話しかけてくれたり、ご飯も一緒に食べてくれたり、困った時に唯一助けてくれたのがこの北川さんです。

もちろん業務上のトラブルがあれば、助けてくれる方は他にもいました。
でもそれは表面的であり、問題を解決してくれるだけで、後のフォローは一切ありません。

北川さんは「なぜ問題が起こったのか、どうしたらよかったのか、そのためにどんな勉強をしたらいいか」を教えてくれ、「全然大丈夫だから!問題あったらまた言いなよ」と心のフォローもしてくれる方でした。
なにかと声を掛けてくれ、シフトが同じときは本当に安心して働けました。

しかし北川さんは、私が入職して半年ほどで退職してしまいます。

「浅田(私)も次考えた方がいいよ」
「分かってると思うけど、ここはいい職場じゃないから」
「何かあったら連絡してきなよ?」

北川さんは最後まで心配してくれ、私は泣いてしました。
それは北川さんとの別れの涙でもあり、この地獄で一人ぼっちになる絶望の涙でもあったのです。

それから3年後。
私は辛い経験を重ねながらも耐え続け、それなりに無難に働けるようになっていました。
怒られる回数は、依然と比べたらずいぶんと減っていたと思います。

しかしその年の春。
私は循環器科へ異動になりました。

また怒られる日々が始まったのです…

この頃の私は夜勤が好きでした。
一人の時間が多く、怒鳴られることも少なかったからです。

怒られるのには慣れているつもりでした。
でも年下の子達から怒られ、冷たく言い放たれるのはやはり辛かったです。
「このくらい出来ないんですか!?」「もういいです」「できることだけやてください」と。

シフト発表の翌日。
「なんで私が浅田さんとばっかりペアなんですか!?」と言い争いがあり、死にたいと思いました。

結局、異動から半年持たずに退職…。

その後、すぐに転職先は決まりましたが、そこでも辛い経験をしました。
職場を転々としました。
看護師を辞めて、一般職として働いたこともあります。

でも今は奇跡的にまた看護師として働いています。

良い病院に巡り合えたと思っています。
無能な私に対しても、優しく接してくれました。

今ではこの病院で5年目です。
しかも5年前は考えもしなかった主任です(こんな私が!)

もちろん今の病院でも叱られることはありました。

しかし「怒る」のではありません。
ちゃんと「叱って」くれるのです。

どの行動が、どういった理由でダメで、どうしたら最善だったのか。
時間をかけて、冷静に、時には笑顔の中で教えてくれます。

自分の無力さは感じます。
それは以前の職場と同じです。

でも「孤独」を感じない点においては、決定的に違います。
今の職場は、叱られた後でも、皆いつも通りに接してくれます。

叱られるのは一瞬。
そこに「怒り」はありません。
みじめさも感じないし、怖さも感じません。

むしろ「もっと頑張りたい」とモチベーションを上げる事すらあります(こんな私でも!)

この病院は、若い子達がすごく優秀です。
皆、素直だし、やる気があるし、教え方が上手だし、看護師としての能力も高いです。

この病院は「優秀な看護師しか採用してない」と思っていました。

けどそれは間違いです。
入ってくる新卒さんは、どこにでもいる「何も知らない、オドオドした新人看護師」ばかりです。

でも1年後には、素直でやる気があり、行動力もある、明るくて教え上手な看護師に育っているのです。
2年目にはプリセプターを経験し、4,5年目でリーダー、7,8年目で主任になっていきます。

だからこの病院は、優秀な看護師が上から下までズラリとそろっているのです。
同じ看護師から見ても、レベルの高い看護師集団です。
しかもみんな教え上手!

看護師として憧れる人もいます。
人として尊敬できる人もいます。

こうした方達がいれば「少しでも近づきたい」と自然に頑張れるのです。
そうした雰囲気のある職場です。

さて。
実は私、今年32歳になります。

この年になってようやく生活に余裕が出てきました。
連休を取って旅行へ行ったり、映画を見に行ったり、ランチに行ったり、同僚達と遊びに行ったり、かつての同期達と飲みに出かけたり。

以前の職場では考えられなかった「普通の生活」ができています。

何が変わったかと言えば、それはやはり職場です。

もしあのまま「怒り」と「恐怖」に耐え続けていたら…。

もっと暗い人生だったと思います。
看護師としてダメになっていたでしょう。
どこの病院でも通用しない看護師になっていたでしょう。

私がこの経験で学んだのは、職場選びは重要だというとこです。

「新人看護師は怒られるのが当たり前」

これは間違いです。
怒りは、人を萎縮させ、思考を放棄させます。
ミスを隠すようにもなるでしょう。

そうして私のような出来損ないの看護師を作り出すのです。

もちろんそうじゃない人もいます。
恐怖が支配する環境でも、優秀な看護師に育つ人はいます。
その人はとても強い人だと思います。

でももし「正しく叱ってくれる環境」だったなら、もっと優秀な看護師に育っていたと思いませんか?

新卒の頃に学んだことは、その後の仕事観に大きく影響すると言われています。
少なくても私が経験した怒りの職場では、優秀な人は少なかったと思います。

誰もが萎縮し、思考を無くしていました。
恐怖でしか人をコントロールできなくなっていました。

そうした職場にいるのはリスクでしかありません。
看護観が固まっていない新卒の頃ほど、危険は大きいのです。

今の職場で後悔しませんか?

もしあなたが、私と同じような境遇にいるのであれば、まずは行動してほしいのです。
色んな人に話を聞き、他の選択肢やもっと良い人生を歩めないかを考えてほしいのです。

友人知人、看護師仲間、同僚、看護学校時代の先生。
誰にでもいいので相談してみてください。

ハローワークに相談される方もいますが、個人的にはあまりオススメはできません。
看護師についてほとんど知識は無いですし、病院について詳しい訳でもなく、そもそもハローワーク窓口の職員さんは期間契約の方も多く、手続き以外の知識を持っていなかったりします。

ハローワークよりは、看護協会の転職相談がオススメです。
元ナースの方が親身に相談に乗ってくれるかと思います。

または転職サイトに相談するのもいいかもしれません。

例えば私も転職サイトを頼りました。
最初は半信半疑でしたが、担当して頂いたアドバイザーさんが予想外に優秀な方で、希望に合った好条件の求人をいくつも探してきてくれ、職場の内情も働いている方から聞き出してくれ、倍率が高くて無理だと言われていた今の病院も、コネやあれやこれやで内定を通してくれるような。

ちなみにこの転職サイトは、例の北川さんに相談した時に教えてもらいました。
私は運よく相談できる方がいて、運よく優秀なアドバイザーさんが付いてくれ、運よく良い病院に巡り合えました。

今が辛いと悩んでいるなら、まずは誰かに相談してほしいのです。
その行動があなたの人生を変えてくれるからです。

大丈夫。
こんな私でも人生よくなりました。
あなたもきっと良くなるから!

追記

この記事を見た方から、いくつか質問を頂きました。
多かった質問の回答をこちらにも追記しておきます。

 

「どこの転職サイトを使ったのですか?」

看護rooという転職サイトです。
北川さんという尊敬する先輩ナースが「看護rooは良かった」と言っていたので、利用した感じです。

上場している大手企業が運営しており、サービスはかなり手厚かったです。
第二新卒にも力を入れているそうなので、若い方ほど歓迎されるかと思います。
ビックリするような好待遇の求人も見れますので、一度登録してみるのをオススメいたします。

詳しくは下記の公式サイトをご覧ください。
▶看護rooの公式サイトへ

 

「北川さんはその後どうなったのですか?」

某国立病院の緩和病棟(癌)で副師長をされています。
メチャクチャすごい方です!

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